
籾殻くん炭普及のためのODA案件化調査
企業名:関西産業株式会社
対象国:カンボジア国プランペン市 、タケオ州、バッタンバン州
期間 :2013年9月~2014年3月
プロジェクト概要
カンボジアに①籾殻バッチ式炭化機/②籾殻プラント式炭化装置を導入することで、くん炭及びくん炭技術の普及を促すODA事業の計画立案、現地政府の農林水産省(MAFF)・農業総局(GDA)の試験場での栽培試験、炭化装置の販売・設置事業の実現可能性を調査しました。
プロジェクト背景と開発課題
カンボジアでは、農業投入材、特に化学肥料の価格が高く、農業生産コスト の2~4割と高い割合を占めています。そのため、農業の利益率は低く抑えられ、農民にとって大きな課題となっています。また、カンボジアの土壌は、粘土質の赤色ポドゾルの弱酸性土壌が一般的で、貧栄養な場合が多く、こうした土壌に化学肥料を投入しても、場合によっては投入した量の半分は、土壌から地下や雨水によって流出し無駄になっている可能性も示唆されています。
カンボジア農林水産省(MAFF)内の農業エンジニアリング局(DAEng)は、過去2年間、日本や欧米をはじめとした海外から、くん炭利用技術の習得に努めてきました。DAEngは試験栽培を行っており、くん炭が作物の単収と生産費に大きな効果を持つことを実証し、今後普及を一気に推し進めたいと考えていました。しかし、様々な土壌・気候条件のもとで具体的にどのように(量・時期・頻度・適正作物など)くん炭を土壌に与えればよいのか、ガイドライン/マニュアルが確立していないため、自信をもって農民に指導・普及をできない状況にあります。
企業の製品・技術
上記の課題に対し、この調査を通じて普及を検討するのは、「籾殻くん炭」と呼ばれるもので、籾殻を炭化装置により低温で蒸し焼きにした硬い炭状のものです。日本では地力増進法による政令指定の土壌改良資材として知られています。土壌に混ぜることによって、保水性・透水性・通気性・肥持ちを高め、ケイ酸分の補給になるほか、微生物の住処を提供することで土壌微生物の活動を活発化し、植物の育成に適さない砂地や粘土質の土でも作物の生育改善を可能とするものです。よって、くん炭の利用によって、作物の収量増加に繋がると同時に、肥料成分の流亡を防ぎ、化学肥料消費削減に貢献することが期待されています。
左:籾殻プラント式炭化装置の一例 右:籾殻くん炭

プロジェクトの成果(または目標)
本調査によって、くん炭のガイドライン/マニュアルが作成されました。
また、くん炭による土壌改良効果(増収・肥料節約)が試験栽培を通じて確認されました。



