企業の方へ
JDIは様々な分野で活躍される日系企業の海外展開支援を行なっております。
安定した経済発展を遂げている新興国・開発途上国は、日系企業にとっての低労働賃金や安価な生産拠点という視点だけでなく、現地の購買力向上に伴う市場規模(消費者人口の多さ)と参入機会・事業可能性の視点からも、事業展開対象地として重要性が高まっており、すでに多くの日系企業が進出してきました。特に、それらの国々が抱える開発課題の解決に貢献できる日本の技術、製品、サービスなどの需要も高まっています。しかし、海外展開にかかる事業費・人材面の負担は中小企業にとって大きなハードルでもあり、現地のビジネス環境調査やネットワーク無しでは事業としてリスクの高いものになってしまいます。
それらのリスクを解消し、対象となる国々が抱える様々な開発問題を解決するため、独立行政法人国際協力機構(JICA)は民間連携事業の一環として、海外進出を目指す日系企業を対象に「中小企業支援型」及び「SDGsビジネス支援型」と呼ばれる提案型の支援事業を行なっています。
この制度は、旅費や現地活動費の他に、外部人材(コンサルタントなど)の費用も支援対象としているため、費用面だけでなく人的負担も大きく軽減することが可能です。例年の応募時期は4〜5月頃と9〜10月頃の年2回となっておりますが、2020年度はCOVID19の影響で応募時期は例年より遅くなっています。
「中小企業支援型」の応募枠は「基礎調査」・「案件化調査」・「普及・実証・ビジネス化事業」の3種があります。大企業を対象とする「SDGsビジネス支援型」は「案件化調査」・「普及・実証・ビジネス化事業」の2種があります。プロジェクトの提案内容、準備状況、目的により最も適した枠を決めます。
JDIはこれまでASEAN諸国および南アジアにて、様々な分野の企業の海外展開支援を行なっており、各国の政府機関や現地民間企業とのネットワークと信頼関係を構築してきました。対象分野とプロジェクトの内容に併せた専門チームを組み、海外での調査・業務に関する様々な問題や不安を解消するため、企画・応募段階からプロジェクト終了まで柔軟なサポートを提供しています。
対象分野の一例
農業
開発途上国では近年の経済発展、人口と食料需要の増加、さらに人件費高騰などに伴って農業の形態も変化しつつあります。生産、収穫、輸送の各プロセスにおける効率化・機械化が急速に進んでおり、様々な需要(市場)が拡大傾向にあります。
環境・エネルギー
環境・エネルギー分野で高い技術を有する日本の様々な製品が海外で評価され普及しています。日本で既に市場拡大が難しくなっている製品・技術も、海外では市場参入の可能性が無数にあり、人々の暮らしの改善に役立てることができます。
廃棄物処理
開発途上国・新興国の工業化・都市化や一般市民の所得向上による資源消費の急増により、廃棄物による多くの問題が発生しています。環境基準を遵守した処理・焼却技術、リサイクル技術、減容・減量技術等の重要とニーズが高まっています。
インフラ・道路整備
経済活動及び工業化に不可欠な道路や様々なインフラ開発においては、設計や施工にかかる物理的な技術だけでなく、IT技術による管理システムや、ドローン・衛星による測量技術、ビッグデータの活用など、幅広い業種が進出可能な舞台があります。
中小企業海外展開支援 実績例

ミャンマー国ヤンゴン市の 医療廃棄物適正処理のための最適な 回収・運搬・処分システム構築に係る 案件化調査
期間:2018年11月~2019年10月
各地方自治体が病院から排出される医療廃棄物の回収・処理を行っているが、実施体制・財政が脆弱であり、非効率な回収、野焼きによる環境汚染などの問題を抱えている。また排出者責任の意識が低く、病院内での感染性廃棄物の分別・保管体制も改善が必要とされている。
期間:2018年7月~2019年7月
水や地滑りの頻発するマレーシア国東海岸地域のパハン州(調査対象地)にて、軟弱地盤の改良及び防災リスクの軽減に貢献し、ビジネス展開のきっかけを掴むことを目的とした調査。
期間:2017年9月~2018年10月
農家用小型精米機について、技術、経営、環境的視点から米(長粒米)に対する現地適合性を検証した、
期間:2016年10月~2017年6月
サトウキビ収穫にかかる課題および機械化ニーズに関する情報収集、法整備・許認可の実態調査、現地パートナー候補の協力を通じた現地生産に係る調査等を通じて、提案製品の適用可能性の確認を行い、ODAを通じた提案製品の現地活用可能性及びビジネス展開に係る検討を行った。
期間;2016年4月~2017年6月
本調査は、建設廃材(主にコンクリート、アスファルト)を収集し、破砕プラント活用して安価な再生路盤材を取り出し、現地の施工事業者や建材販売店等に販売するビジネスの可能性を検討することを目的とした調査を行った。
精米機製造・販売事業に基づくODA案件化調査-日本の精米技術に基づく中小精米業の技術・品質向上(カンボジア)
期間:2012年11月~2013年3月
本プロジェクトでは、先だって行ったFS調査を基に、商業ベースでの導入は難しいものの、将来的な顧客となりうる層への普及支援策を検討した。具体的には、カンボジアの精米業界の大部分を占める地元の中小精米所及びコメ生産者グループを支援し、コメ産業の底上げとコメ農家の所得向上に繋がるODA案件形成を行った。