カンボジアの工業団地・都市開発調査と提言のまとめ

案件名:カンボジアの工業団地・都市開発調査

対象地:カンボジア国

期間 :2013年1月~同年3月

プロジェクト概要:

本調査は、カンボジア国スヴァイリエン州における日系企業のさらなる集積が進展する状況を想定し、生産活動拠点(主にSEZ)を核とした都市圏の将来の開発計画策定に必要となる基礎情報の収集・確認を行った上で、今後の協力事業を検討しました。

内容:

生産活動拠点へのさらなる企業(とりわけ日本の中小企業)立地促進のためのSEZ及び貸工場の整備・拡充ニーズ、ならびに、これらSEZを中心とした周辺環境整備にあたっての経済・社会インフラ整備のニーズに鑑み、スヴァイリエン州の現在の産業・企業立地構造、企業投資動向、SEZ及び周辺インフラ整備状況・都市計画、自然条件、関連法令・制度、その他必要となる情報を収集しました。具体的には、以下の点について詳細な調査を行いました。

 

①現在の産業構造、企業集積状況、立地構造

②既存のSEZ及び工場の以下に係る開発・整備・稼働状況

③既存のSEZ及び工場における企業投資動向

④既存のSEZ周辺の企業活動に関連する物流、電力インフラ整備状況

⑤投資及び企業活動に係る法令・制度(土地登記制度含む)

⑥既存のSEZ周辺地区の都市インフラ

⑦労働市場状況(労働人口、労働賃金、現地人材の確保状況、労働争議発生の状況など)

⑧人材育成機関やインキュベーション機関等の諸施設の状況

案件実施の中で特筆すべき項目は以下の通りです。

 

① 急速に進むSEZ開発と企業の進出

 

下図が示す通り、スヴァイリエン州東部のベトナム国境に近いBavet市の周辺では、多数のSEZと工業団地の開発が進んでいます。バベット市のSEZ群からベトナムのホーチミン市までの距離は80-100kmと物流上の立地に優れており、日系企業を含め入居企業が近年急速に増える一方、インフラ・都市開発が追いつかず、電力不足や人材不足などが深刻になりつつあります。

<Bavet市周辺のSEZ群>

出所:Google Mapの情報を基に作成

② インフラ整備・都市開発の今後の行方

同地区の生産活動拠点としての集積は、近年発生した現象であり、カンボジア国が能動的に開発を進めた結果起こったものではなく、このため、生産活動の基本となる運輸、電力・水の供給及び排水・廃棄物処理に係るインフラはもとより、生産拠点を取りまく地区全体における住宅、商業施設、交通手段、教育・医療施設ならびに文化娯楽施設なども充分に整備されていない状況です。また、カンボジア国政府も、今後の産業多角化、産業集積を進める方策を検討する上で、スヴァイリエン州における企業、特に日系企業の進出がさらに活発化する状況を想定し、生産活動拠点を含めた周辺都市圏の開発計画のあり方の検討に強い関心を示しています。