プロジェクト概要
ミャンマー国主要都市(主にマンダレー市とヤンゴン市)の自治体における医療廃棄物の運搬・回収・処理(焼却)にかかる管理事業の現状調査に加え、各地の主要病院を訪問し医療廃棄物の管理体制と課題調査も行いました。
なお、調査開始当初は首都のヤンゴン市を主な対象地としていましたが、マンダレー市の行政を担う開発員会(Mandalay City Development Committee. 以下MCDC)から積極的な協力が得られ、同市での課題解決のニーズが高いことが確認できたため、本件の主な調査対象地はマンダレー市となりました。
プロジェクト背景と開発課題
ヤンゴン市、マンダレー市等の主要都市では、各地方自治体が病院やクリニックから排出される医療廃棄物の回収・処理を行っていますが、実施能力と財政不足により、回収方法が非効率な点もあり、最終処理は野焼きと埋立のみで、土壌、水質、大気への負の影響が懸念されています。また病院側の排出者責任の意識が低く、病院内での感染性廃棄物の分別・保管体制も改善が必要とされています。
企業の製品・技術
本件の実施企業は、主に東京23区内で廃棄物の回収およびリサイクル事業を行っています。日本国内の事業に加え、現在様々な廃棄物問題を抱える途上国への社会貢献とビジネス機会の検討のため本件の提案・応募にいたりました。
実施企業の日本での実績や様々な事業に基づきにミャンマーに提案できるノウハウの中で、本件では特に、適切な管理・扱い・処理が必要とされる医療廃棄物に焦点をあてました。実施企業は、都内数十カ所の医療機関を対象に、安全で効率的な医療廃棄物(感染性廃棄物含む)の回収事業を行っており、適切な取り扱い、運搬方法、安全管理などの観点から豊富な経験、知識を持っているため、ミャンマーでそれらの具体的な活用の可能性を調査・検討しました。
プロジェクトの目標・成果
現地での軟弱地盤の課題に関しては、従来工法の不十分な効果や工事進捗の遅延などが浮き彫りとなっていました。また、洪水の発生が頻繁に起きており、現地には堤防や水門が無いことがわかりました。土木工事の基礎である地盤改良が早期かつ安価に行うことができないが故に、交通インフラの整備や防災インフラの構築が成されないという課題が発生していました。
これに対し、SWP工法であれば、その工期、単位当たりのコスト、技術的な観点から見ても従来工法と比べて競争性があることがわかりました。現地のカウンターパートや土木工事業者に技術協力をすることによって、インフラ整備が進み、災害リスクの軽減や経済発展が促進されると考えています。本案件化調査を通して、SWP工法のセミナー及びデモを通して、カウンターパートや現地の工事業者に技術に対する理解向上に貢献しました。
JDIの役割
本件においては、JICA海外展開支援への応募に関する相談から段階から提案企業と協議を重ね、企画書・調査計画づくり、マ国でのビジネスパートナー選定や、カウンターパート候補への働きかけなどにおいて支援を行いました。またJICAへの報告書執筆や、精算処理などにおいても、その作成や対応を行いました。
今後は、より深く広いレベルでマ国における提案企業のビジネス展開を進めるため、普及・実証・ビジネス化事業の採択に向けて具体的かつ包括的な普及・実証・ビジネス計画を策定し、支援を続ける方針です。

カウンターパート(CP :灌漑・排水局)との協議

パハン州地元のコンサルタント会社に SWP工法をビデオ等で紹介する様子

SWP工法のセミナーにて、高橋社長の講演

SWP工法の機器の説明を聞く参加者